先日、子育て奮闘中のお母さんと話す機会がありました。
話の流れで子供を「怒る」と「叱る(しかる)」の区別がわからない事に私は驚きました。
できるだけ簡単な言葉を選び、
「怒る」とは自分(親)のため。
「叱る」は相手(子供)のため。
と説明しました。
その場ではわかってくれた風なのですが・・・。
もうちょっとわかりやすく整理します。
イライラしたり頭に来たりしている感情の向くまま相手にぶつける事が「怒る」。
相手に対して理性をはたらかせて問題点をつよく指摘する事が「叱る」。
このように似ているようで全く異なってます。
それをもっと具体的にして子育ての場面に例えると、
・子供が自分の言うことをきかずに何回も同じ事しているのでイライラして「またやってんの!?バカ!」と怒鳴った。
・子供にスマホを持たせていればうるさくないと思い、渡しておいたら落とされて画面がこわれて頭にきたので思わず叩いた。
・自分(親)が話に夢中になり、子供を放置しているにもかかわらず、展示物を倒され、恥ずかしくなってその場で怒鳴った。
少々行き過ぎる例ですが外で見受けられた具体例です、これらは「怒る」行為となります。
結果的に子供にとっても何の収穫にもならず「怒られただけ」としか認識しません。
怒る方にしても、ストレスの半分は子供にぶつける事で解消できたとしても、半分は余韻として残ります。
そして怒ってしまった自分に対してもイラついてきます。
「負」しか生まれません。
頭ではわかっていても、つい感情に押し切られてしまう人が多いと思います。
自己嫌悪に陥ることも仕方ありません。。。
そして子供の方も怒られるという事に対して慣れていきます。
次はもっと強く怒らないとなりません、その次はもっと激しく怒らないとなりません。
その次は叩かないとなりません。その次は殴らないとなりません。その次は・・・。
このように負のスパイラルになってしまってはいけません。
感情がおなかのそこから湧き上がってきた時には2~3秒で良いので一呼吸おいてみてください。
そして、事の良し悪しをわかるようにぜひとも理性を働かせ 叱る(しかる) という事を心掛けてみてください。
自分の気持ちも落ち着いていられるようになります。
もし、不本意に子供を怒っていまい、後悔したとしても、自分を責める必要もありません。
なぜ怒られたかわからない子供に対して謝ってもよけいチンプンカンプンになるだけです。
その三倍褒めてあげてください。
「N/P比」(エヌピーヒ) というものがあります。
ネガティブ/ポジティブの比です、一回叱ったら三回褒めてあげる事によって「負」の気持ちが中和されると言います。
大人どうしの会話の場合ならネガティブな言葉「1」に対してポジティブは「5」で中和されます。
子供を一回叱ったら三回以上褒めるまでは、少し待ってあげるようにしてあげたら良いと思います。
また、躾(しつけ)に関しては小さいうちからという事もあり、良し悪しの説明もなかなか難しいと思います。
ついビシッ!!っと叱ってしまいそうですが、 しつけの場合は「誘導」が有効的です。
家庭内のルールや慣習については大人にも難しい場合があります、叱らずにきちんと”誘導”してあげることで徐々に受け入れていくはずです。
そう考えると「怒る」ってのは出番がなさそうですね、自立するまで2~3回ってとこでしょうか。
本当に必要なときの為にとっておいてください。
そうすれば大きくなってから「怒ってくれたな~」と覚えていてくれるはずです。