A 専門知識は私たち業界の人間にとってはもちろん大事なことです。
日々アンテナを高くし、最新理論も把握していなければいけません。
ただ、お客さんにとってパーマの仕組みがどうとか、メラニンやら、タンパク質変性とか再結合がどうとかって・・細かい事はどうでもいいんですよね、とにかく『綺麗にして下さい』『可愛くして下さい』なんです。
施術内容にもこだわる人は美容師以外でも既にネットで模索していますしね。
だからサロンワークでもお客さんに説明する時にはあまり専門的な事は言わないようにしています。
大切なのは自分の髪を安心して任せられるための”信頼”を得ること、です。
お客さんから、「あなたにやってもらえば大丈夫」「あなたがそう言うんならそれでお願い」と、実際に嬉しくもありがたい言葉を幾度もいただいて、そのことがとても大切なんだと実感しています。
A じつは意外と私からの深い意味が込められてまして・・・
日本人女性の多くは「似合わない」と言われる事に対して敏感です。
こと、ヘアスタイルに関しては必要以上に傍(はた)からの目を気にしています。
なので自分がやってみたい髪型があるにもかかわらず、周囲の反応や、固定観念に縛られて、保守と言いますか消去法で自分の髪型を決めてしまっている方が結構いらっしゃいます。
もちろん我々の提案を受け入れてくれる事も多くありますが、いつもと慣れない感触、慣れない雰囲気に対し、違和感と感じてしまい、結局期間の長かった髪型に戻してしまうこともあります。
それでは色々なヘアスタイルを楽しむことが半減してしまいます。
私は、固定観念を捨て、思い込みを無くして、前向きなCHANGEも体験されることをお勧めします。
とは言っても「似合わせ」の要素もやはり大切であり、美容師には技術も必要です。
ただ、それはあくまでも周りの意見、”他人のフィルター越し”の自分の姿だということです。
必ず「似合った髪型をしなきゃいけない」ではありません。
たとえ髪型が似合っていなくても、自分の意志でやりたい髪型を楽しみ、色んな髪型にチャレンジしてみる。
そういった自分自身をもっと優先的に、という意味で”二の次”、と・・・。
私はどんな女性の中にもあるそんな素直でポジティブな部分をぜひともヘアスタイルでも表現して欲しいと思っています。
実際そんな風にヘアスタイルを楽しんでいる方もいらっしゃいます。
またそれは、普段のライフスタイルにも大きく影響してきます、私はきっとそこに繋がると信じ、さらに明るい、さらに行動力のある女性となって、身近な日本の女性たちにもっと活躍していただきたい!という想いが込めてあります。
CHANGEすることを恐がらないでっ! っということです(笑顔)
A 父、母、兄二人、の五人家族で育ちました。
他界した父は教員、母は美容師、長兄は教員、次兄は市役所職員と、公務員が多く、わりと躾(しつけ)の厳しい感じの中、美容室を営む母の姿を見て育ちました。
男三人の末っ子なので妙に甘やかされた部分もあり、みんな可愛がってくれたことは憶えています。
典型的な”末っ子気質”があると思います(笑)
A スタイリストになり、仕事にこだわりを持つようになってから基本自分で全部やりたい派でした。
きっとその頃からお客さんの気持ちを察する”くせ”もついていたんだと思います、
当時のオーナーにもよく、もっとアシスタントに任せていいんだぞ!
などと言われておりました。
売り上げやスタッフ育成のためにもその方が良いことはわかっていましたが・・・
お客さんの気持ちをどうしても考えてしまいます、それは今でも変えられません。
お客さんも話したい事もたくさんある方が多いですし、他に人がいるとどうしても気を遣いますからね。
あ、でも美容師の”仲間”は欲しいです(笑)
A なろうと思ったと言いますか・・正直申しまして、成り行きです(笑)
銚子の商業高校に進み、三年生になり、まだ働きたくないと悶々としている中で、八歳上の兄が通っていた美容学校がとても楽しそうに見えました。
小さい頃から見ていた美容師の仕事は、どちらかというと自分ではやりたいと思いませんでした、
ところがそんな兄の姿につられ、美容学校に行くことを決めます。
思っていた通り美容学校は女子も多く、とても楽しかったのでアッという間に卒業となってしまいました。
そうなると就職先はおのずと美容室、というわけです(笑)
A はい、明確に。
美容学校を卒業してすぐに勤めた先では、いい加減に過ごしていました。
後悔といいますか、店長はじめ一緒に働いていたスタッフに対して謝りたい気持ちです、、
4年経過しても自覚の無い私はくだらない事で経営者に反発し、それが店を辞めるキッカケとなりました。
そして当時のガールフレンドの推薦で全く想定外の「銚子」の駅前にあるスタッフの多いサロンへ面接を受けに行きました。
そしてその時、その店のオーナーとの出会いが直接的な転機となりました。
A 美容師になって20年、そのなかで本当にたくさんの声をお客さんから聞かせてもらいました。
常々感じる事が、多くの方が”強いストレスに苛まれている”ということです。
確かに美容室に来てヘアスタイルをキレイにする、サッパリする、それも気分転換や一時の癒しにもなるでしょう。
最低限そうでなければいけません。
だけどもっとプラスアルファ、そのストレスがもう少しどうにかならないものかと・・・
毎日そう感じるようになりました。
ニュースを聞けば職場ストレスや育児ノイローゼが原因と思われる悲しい事件、毎日必ず日本のどこかで起きている若い人達のじさつ。
しかも同年代の死因として一位なんです。
大きなストレスが原因となっているのは間違いないと思います。
もっと目の前にいてくれる人の役に立てないか?できることはないか?
居ても立ってもいられなくて、仕事の時間、家族との時間、食事睡眠以外、傾聴スキルや心理学を独学で学ぶことにしました。
また、現在日本には約50万人もの美容師がいます、理容師を足したら73万人もの髪に関連する職人がいるわけです。
・・・どう考えても多すぎです。
いわゆる職人として、ひとつの事ばかり没頭せず、各々がカタチ変え、進化していかなければ、
多くの美容師たちに未来は無いと危惧しています。
詳しい内容はここでは省略しますが、きっと何十年先か先、”美容師”とよばれる職業はありません。
そんな昔美容師なるの職業を継ぐ人達が時代に必要とされるためには、
新しいスキルを身につけていかなければならないと感じ始めました。
A 再現性です。
美容室で施術するだけの価値ではなく、それ以外、普段の生活においてヘアスタイルが役割を果たすことが大事だと思っています
A 学校の先生。
教える、のが好きです。