子供が変わる「言葉がけ」2


ケース4
《整理が下手》

園児カバンの中や自分の物が置いてる場所がぐちゃぐちゃ、うんざりします。


NG言葉
「もう!何これー」
「ちゃんとしまってきなさい」

 

※幼稚園から帰って来て子供のカバンを開けてみた時に叱ったところで子供はなんでそんなに怒っているかよくわかりません。まして忘れ物をしたわけでも無く、朝持って行った物はちゃんとカバンの中に入っています。
「何で怒られてるんでしょう??」
子供にとって
「ちゃんと」
がわかりません。
叱るのであればカバンに中身をつめこんでいる”その時”です
発見した時に怒るのではいつまでも「整理」することが理解できずにいてしまいます
小さいときは今現在目の前の事しか考えられずいますので、後に出す時の事や、ましてお母さんが洗い易くすることなど考えられません。”あと”の事が考えられるようになるのは5・6・7歳になって徐々に覚えてきます

 

 

子供を伸ばす対応
「具体的に整理方法をその場で教える」

 

幼稚園、保育園から帰って来た時点で、もう一度しまう前の状況にして、ひとつづつ丁寧にしまい方を教えます、弁当箱のフタも開いているようならフタをしめるところから、順番に教えていくようにします
また、物が置いてある場所なども「ちゃんと!」という言葉を使わずに、具体的にひとつひとつ順番を教えるようにしてあげることでやり方を覚えます
そうすることで徐々に「整理術」を覚えていきます。

 

 

 

 


ケース5
《お絵かきが苦手》


 

NG言葉
「もっとキレイに描けない?」
「これ何?」

 

※こんな言い方はアドバイスでも何でもなく、ただ”ケチ”をつけているのと同じになります。
はじめからうまく描けるはずも無く、ましてやお絵かきを楽しんでいます、子供は絵を否定されたあげく楽しい気持ちもシャットダウン。絵を描く事自体がイヤな事だとインプットされてしまいます。

 

 

伸ばす言葉
「何しているところ?」
「お!よく描けたね~」
「じゃあ今度は〇〇描いてみて」

 

上手下手はともかく子供が自分で表現をしたのですからそれを認めてあげます。
上手に描けていれば「上手」と言ってあげてもいいのですが、ほんとに小さい頃は何を描いてるか わからないこともよくあります、そんな時はこれは何してるところ?とか子供がすぐに答えやすい声かけをしてあげると良いと思います
とにかく絵を描くこと、絵について話す事を楽しく共感することで、子供はどんどん好きになり、あっという間に上達もして行きます。

※DVDをずっと観ている以外、子供が絵を描いたり、ぬり絵をしたりと、何か一心不乱に集中している時は、出来れば中断しないであげて下さい。集中する力が養われています、しばらくもすれば自分で一呼吸しますのでそのタイミングで次にやることがあれば促すようにして下さい。

 

 

 

 


ケース6
《食べるのが遅い》

(子供の食べるのが遅い理由) ひと口が小さい、噛むのがゆっくり、箸やスプーンをいちいち置く、肘をついたり横向いたりする、途中で遊んでしまう、テレビを観て止まっている


※まず、前提として子供がちゃんとおなかを空かせて食べられる状態にあるか?を考えたいと思います、早く食べてもらいたいのは基本的に時間に余裕のない朝です
いくら子供でも起きて即座にはごはんが喉を通りません、時間に余裕を持つ意味でも早起きさせ徐々に体を目覚めさせます、顔を洗い、うがいは必ずさせてください、ご存知かとは思いますが寝起きの口内細菌が恐ろしいほどに大繁殖して飽和状態になっています。

 

NG言葉
「いつまで食べてるの?」
「早くたべなさい!」

 

※この場合、子供に伝わっている事は「怒っている」ということだけです
一時的にご飯を口に運ぶかも知れませんが、すぐに元のペースにもどります、なので繰り返し「早く食べなさい!」「まだそれしか食べてないの?」と言わなければなりません
子供が何をどうするべきかわかるように伝えてあげましょう。

 

 

伸ばす言葉
「箸は置かないで口の中にものが無くなったらすぐ次を食べるんだよ」
「途中で立ったりしないでお茶碗を持って食べるようにしてね」
「ひと口をもっと大きくするといいよ」

 

※やはり子供に”ちゃんと”とか”早く食べて”など抽象的な言い方ではなかなか伝わりません
決してイライラして面倒くさがったりせず、具体的な事を教えるようにしてあげて下さい
結果、その方が早くなりますし、両者とも無駄な時間、無駄なエネルギーを使わないで済みます。「早く」では無く 「箸を持つ」「肘をつかない」「もっと多くごはんのせて」などなど具体的に教えてあげましょう。

 

 

 


ケース7
《「ありがとう」が言えない》


 

「ありがとう」の基本は自分が嬉しかったときに出る言葉です。このことから子供は覚えますが”マナー”としての「ありがとう」も教えていく必要があります

 

NG言葉
「何か言うんでしょ?」
「ありがとうして!」

 

※嬉しい事があったりした時には割とすんなり出てきます、大人の場合の「ありがとう」も心からの場合は、ハタから見てもわかるものですよね。
この心からではないマナーとしての”ありがとう”は小さい子には難しく、「何か」と言われてもピンと来ません。「ありがとうして」と言われても親の命令に従っただけとなります
またその相手にも感謝としては伝わっていません。

 

 

伸びる言葉
「〇〇してもらってよかったね、ありがとうだね」
「こういう時もありがとうだよ」

 

※やはり実践の中で具体的に教えていくことが大切となります
何か落としたものを拾ってくれた時や、順番をゆずってもらった時、記念写真を撮ってもらった時や、洋服をもらった時、子供が興味・関心が無さそうな時にはその場で具体的な事を付け加えてから促すことで、「あ、こういう時も言うんだ」という色んなマナーとしてのありがとうを覚えていきます。

※ある程度大きくなってしまってから言うようになる「ありがとう」より小さい頃からおぼえる「ありがとう」の方が自然で、関わる人も素直な気持ちになれます
また、たとえマナーとしての「ありがとう」だとしても言葉を発する事で感謝の気持ちも実際に芽生えます
ぜひとも小さいうちからの「ありがとう」を言えるようにさせてあげて下さい。

 

 

 

 


ケース8
《「おしまい」と言ってもすぐにやめない》

「さあ、もうおしまいだよ」と言っても遊びをすぐにやめようとしません。。


 

NG言葉
「はい、終わりにして」
「言う事を聞きなさい!」

 

※当然子供は遊ぶことが大好きです、大人より没頭し自分の世界に入ってることもしばしあります。はじめは優しく「さあ、おしまいだよ~」と声をかけたとしても無視(没頭するので聞こえない)をしていると感じ、つい「ほら終わり!言う事聞いて!」と強く言いたくなります。
それは強い口調で脅せばやめるでしょう、親は自分に従ったのでそれで満足かも知れませんが、子供のしつけにはなっていません。

 

 

伸ばす言葉
「もう少しでおしまいね」

 

※想像してみてください。
カラオケボックスに行き、利用時間が二時間だとわかっていても夢中になり時間の経つのを忘れています。 マイクを握りしめノリノリで歌っているところを突然ブツッ!っとカラオケが消え、部屋の証明も元通り、入口のドアが勝手に開いてどうぞお帰り下さい(笑)
それと同じ事が起きています。
実際にはインターホンが鳴り、トーンの高い声で「お時間15分前で~す」とお知らせをしてくれますが、このお知らせがどんなに効果的か…
子供にもそのお知らせをしてあげて下さい
まして自分の都合で延長する事はままなりませんので突然の終了は「え~!聞いてないよ~!」状態です
 「もうすぐ帰るからあと少しね」 「もうすぐごはんだからもう少しでおしまいね」
と、お知らせをしてあげる事で遊びもエンディングに向かっていきます、またお片づけをする機会も与えられます。
魔法のように素直に聞いてくれる事もありますのでタイミングを見て促すようにしてあげてください。

 

 

 

(つづきます)

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