子供が変わる「言葉がけ」7


ケース29
《家ですぐに泣く》

園では泣かないそうなんですが、家で親といるとすぐ泣いてしまいます


 

※自我の爆発(イヤイヤ期)が過ぎて落ち着いてくると子供はやたらと泣かなくなってきますよね、もちろん個人差の関係もありますが、年少さんから上のクラス自体が落ち着いてくるのはそういった理由もあります。ですが保育園では一度も泣かずに過ごしたのにお母さんが迎えに来た直後からさっそく泣いてしまう子もいます、よく見るとさっそく親が怒っていたりします、子供の嫌な事を何かしらています。その子自体はよく泣く子ではありません・・親がよく”泣かせているだけ”という事を一度考えてみて頂きたいと思います。

 

NG言葉
「泣いたってダメ!」
「そうやってすぐ泣くー!」

 

※例えば子供が服にアイスなどをこぼした時、どう声掛けするでしょうか?

「またやった!いつも言ってんじゃんこぼすなって!ったく!洗うからこっち来なさいっ!」

的な文句なのか

「あらら、こぼしちゃった?気を付けなさい、すぐに拭けば大丈夫。」

と言いながら対処も教えるのか、

たぶん、下の言い方なら泣きません。

うちの子はよく泣いてると感じたら、ご自身が泣かせてはいないかどうか、泣かせている大人が

近くにいないかどうか、一度冷静に考えてみるのも必要かもしれません。

また中には「このぐらいで男の子が泣いちゃダメでしょ!」的なたくましい教訓のお母さんもいらっしゃいます。

ただ相手は子供です、自分の倍以上もある人間に頭上から怒鳴られ威圧されれば大

人でも泣くほど恐怖を感じます、それで心は鍛えられていません。

「怒る」は「注意」に。 「注意」から「誘導」に。

少し変えてみただけで子供は劇的に変化するかもしれません。

 

 

親が伸びる事

子供を怒ってしまったあと、自己嫌悪に陥らないで下さい

大人と違い子供は必ず許す心を持っています


自分が思う事を次から気をつければいいんです

 

 

 


ケース30
《悪い言葉を使う》

ともだちとケンカしたり、イヤな事があったりすると「ぶっ殺すぞ」とか「死ね」などすぐに悪い言葉を発します。。


 

※人間はどちらかというと楽な方や悪い方に引かれやすい性質を持っています。言葉の持つ意味にしても同じです、物心ついてくると周りの影響もあり、いわゆる誰が聞いても悪い言葉「殺す」「死ね」を発するようになる子もいます、テレビやお笑いなど「そんなのカンケーネー」のような”流行語”をただ言っているだけなら大丈夫な事が多いのですが、自分の感情が伴って発する時には少々問題があるかも知れません。

 

NG言葉
「そういう言葉は使わないで!!」
「乱暴な口きいちゃダメでしょ!!」

 

※「ウンチー」や「〇ンチン」などの下ネタワードも子供はなぜか言いたがります。
そんな時に言いたくなる「そういう言葉は言わないで」っていう時の”そういう”や、「変な事言わないの!」の”変な”ではダイレクトに通じません。強く咎められるのでその場は分かった顏をしますが、親の真意は伝わらないので後でちゃんと繰り返してしまいます。

 

 

伸ばす言葉
「ぶっ殺すなんて言ったらダメ!」
「人に向かって死ね、もダメ!」

 

※最近のヒーロー物、とくに仮面ライダーシリーズはストーリーも多様化、お母さん方を引き込む為のイケメン主人公達も甘いマスクとは裏腹に言葉づかいが過激になっています。そんな仮面ライダーごっこや戦隊ごっこで飛び出す「セリフ」ならまだ大丈夫そうですが、基本的に「殺す」「死ね」などは子供の生活の中で使って良い場面など無く、具体的にハッキリと「ぶっ殺す」「死ね」は使ってはいけないという事を教えてあげましょう。

 

 

 


ケース31
《まとわりつく》

家の中どこに行ってもまとわりついて来てトイレもゆっくり入れません、家事もしたいのに。。。


 

子供はお母さんが好きで好きで仕方ありません、そんなお母さんが自分から離れてしまうと不安です。お母さんからすれば少々困る場合もあるかも知りませんが子供はいたって健全な心理で、母子関係が良好な証拠です

 

NG言葉
「ちょっとあっちいってて!」
「〇〇ちゃんがくっついてたら何も出来ないの!」

 

※子供はただお母さんを慕い、好きだという事を表現しているだけであって悪い事は何もしていません、それを迷惑そうにしたり「あっち行って」など言ったら自分自身を受け入れてもらえなくなった気がしてしまいます

 

 

伸ばす言葉
「すぐ戻るからちょっと待ててね」
(少しずつ延ばす)

 

※いくら子供に好かれているからと言ってもやっぱりトイレは厳しいですよね、離れる前に「待っててね」と優しく諭すように言い、堂々と離れ、その時間を少しづつ延ばして行くようにすればだんだん平気になっていきます。子供がついて回るのも今のうちだけですので、できるだけ甘えさせて、思い出を作っておいてください。

 

 

 


ケース32
《すぐ近くでテレビをみる》

テレビをみるのはいいけれど、何度注意してもいつの間にか近くに行ってしまいます


 

NG言葉
「もっと遠くで見なさい」
(強引に連れてく)

 

※子供はテレビだけでなく、興味のあるものは何でもすぐ近くで見ようとします。
本でも写真でも、自分の前に持ってくる事をしますが決して図々しさでそうしている訳ではありません、というのも大人の認識と違い視野いっぱいにしなければ情報確認がしずらいようです、強引に大人と同じくらいの距離に離してしまっては他の物がジャマしてテレビに集中できず注意力散漫になりやすくなります。

 

 

伸ばすポイント
「この辺で見ようね」

 

※テレビは確かに目に良いとは言えません、ただブラウン管テレビから液晶テレビ主流になり目への負担はだいぶ軽減されたのは確かなようです。子供にも適正な距離で見せてあげたいですね、大人と同じ位置まで強引に連れて来るより、少し近いくらいでも良いかと思います。子供が覚えやすいように子供のゾーンを決めたり、イスなどを目印にしておいてもいいかもしれません、目安として画面サイズの2倍離れたところがちょうどよいと言う情報もあります、ちなみに私の家でのリビングは40インチですので80インチ(約2m)の所に座布団を置いてあります。

 

 

 


ケース33
《夜ひとりで寝られない》

夜、ひとりで寝ることができず、必ず寝かせつけなければいけません。。


 

※子供は夜眠る時安心しないと寝られません、ひとりきりだと当然不安になります。
でもお母さん(お父さんかも)さえいてくれたらどこであろうと意外と安心して眠る事ができます、お母さんがいるところが安心空間なわけです。

 

NG言葉
「ひとりで寝なさいっ!」
(と電気を消す)

 

※親が子供をひとりで寝て欲しいのには、寝かせるのが面倒というのもありますが、一緒に寝かせつけているうちに自分が眠ってしまい、洗い物やその後の自分のひとときが過ごせなくなってしまうからです。
「ひとりで寝なさいっ!」と言って電気を暗くし、扉を閉めてしまえば多少泣きべそをかいてもいつの間にか寝ているでしょう。
そして一緒に寝て欲しいとお願いする事もなくなり、ひとりで寝るようになるかも知れません、
でもそれは子供が自立したわけじゃなく諦めているだけに過ぎません、
いつでも一緒に寝たいと想っています。
不安を抱えながら眠りにつくというのは大人でも大きなストレスになります、愛情不足からの弊害を抱えてしまうようになるかも知れません。

 

 

伸ばす言葉
「はい、はい」
(と言ってついててあげる)

 

子供がいずれひとりで寝られるようになるのは、それまで親から安心感を充分もらったからこそです
一緒に寝て欲しいとせがんでくるのは小さなうちだけの本当に可愛い姿、そのうちこっちからお願いしても寝てくれないかも知れません。
また、添い寝と言っても子供に背を向けてスマホなんていじらずに、楽しい夢を見られるようなお話をしてあげて下さい。
頭をなでてあげたりするのも大切なスキンシップでもありますし昼間はあんなに騒いで散らかして遊んでいたのに天使のような寝顔になるはずです。
子供と一緒に寝て、早起きするのも一石二鳥となりますよ(^^)

 

 

 

(つづきます)

添い寝

 

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