ケース34
《すぐに砂や地面をさわる》
砂や土、公園の芝や雑草、水たまり、歩道・・とにかくしゃがんできたない地面をいじってしょうがありません。。
※何でも口に入れてしまうような赤ちゃんの頃は指先より口の方が敏感です、それが過ぎるとやはり指先が敏感になってきます。
散歩や公園で遊べるようになれば目の前にひろがる広い地面でも自分の足元にある色んな石や砂の感触、草や花、虫、流動する水の動きさえ興味がわいて仕方ありません。
大人は前を見てますし、地面の事なんかわかりきったつもりでいます、ところが子供は頭が地面にもかなり近いですし、自分の足の歩みさえ興味ありますので下を向いてテクテク歩く方が多くなります。
NG言葉
「さわったらダメっ!!」
「またさわるっ、汚い!!」
※子供が砂や地面を触ろうとしたのを止めさせるメリットは手が汚れないというだけです。
マイナス面は好奇心の退化、興味を持つことの抑圧です、子供の成長に大きく関わる”好奇心”の芽を摘んでしまいます。
伸ばす言葉
「はい、そろそろいいかな~?」
「手を洗おう(拭こう)ね」
「さわったら手を洗うんだよー」
※他人に迷惑になったり危ない場所以外は基本的にできるだけ触らせてあげて下さい、
もちろん砂や土の場所であろうと危険な虫やガラス、くぎ等危ない異物が落ちている場合もありますので子供の周りと手元も注意深く見ていてください。
放っておけばずっとやっているかも知れませんが、そんなに何分もやらせるのでは無く、子供も十数秒である程度満足します、そうすればちゃんと言う事を聞いてくれて「はいじゃあ手を洗おう」と言えば素直に従ってくれます。
広い公園などで遊ぶ時にはいちいち洗うのも大変です、手をズボンで拭いてしまう程度の事はありますが、休憩時や帰る直前にきちんと洗うようにし、途中でお菓子などつまんで食べたりしないように見ててあげて下さい。
また、手を洗えば良いとは言いますが、水道が近くに無かったり、石けんが欲しい事もあったりしますのでぜひとも「除菌シート」を常のバックに入れて置くことをお勧め致します、
子供連れじゃない時でも活躍しますしね(^^)
ケース35
《「ごめんなさい」ができない》
悪い事をしちゃっても「ごめんなさい」が言えません、強情なのかな。。。
※小さい時は自発的に謝る事はできません。心の成長が伴ってきた5歳位から相手の気持ちがわかる「ごめんなさい」が出来るようになります。
NG言葉
「ごめんなさい」は!?
「早くあやまりなさい!」
※大人は「謝るべきこと」が発生したら謝らせようとしますが、2、3歳の子供にとっては悪い事をした認識が無い、または気がついてない方が多いです。
そんな時にきつく言って謝らせるのは、子供にとってもイヤな事で抵抗する場合もあります。
事態を把握せずに謝る事を覚えさせてしまっては相手をおもいやる「ごめんなさい」がいつまでも出来なくなってしまいます。
伸ばす言葉
「オモチャがぶつかちゃって痛いね、ごめんなさいしようね」
※日常の中で自然に「ごめんなさい」が出来るようになるのは、何度も言わせてきたからではありません。
相手に迷惑となる事をしてしまったんだとわかる子供になってもらう必要があります。
2~3歳の頃は子供の口からとっさに「ごめんなさい」と出るのは難しいので親が相手と相手の親に対して謝ることを強いられます。
何かしてしまった場合でも無理やり「ごめんなさい」を言わせるのではなく、自分のしてしまった事を説明し相手にイヤな思いをさせてしまったことをその都度理解させるようにして行きます。
もちろん自分が痛い思いをしたりイヤな思いをしたりする事も学びとなります。
少しづつ「相手の気持ち」をというものを考えてみるようになれば「ごめんなさい」も自然に出てくるようになるでしょう。
ケース36
《ひとつのものにハマりすぎ》
※子供には大体ハマっているものがあります、それが「アンパンマン」であったり「トーマス」であったり「恐竜」であったり色々です。本人もなぜかわかりませんが、ちゃんとそれらのどこかに「良さ」を見つける術を持っています。
NG言葉
「またそれなの~?違うのにしなさい」
※例えば電車マニアなら選ぶ本、選ぶオモチャは電車ばかり、アンパンマンなら帽子から服、ズボン、靴まで身に付けるものすべてアンパンマン。
親にとっては同じものばかり買わされているようですが子供にしてみたら共通点こそありますが全然違うものと認識しています。
それを他の好きでもない物に強引に誘導されてもがっかりするだけです。
伸ばす言葉
「〇〇あったね」
「それ、カッコイイね」
※アンパンマンや戦隊シリーズなどの普遍的に人気のあるものは一過性の可能性が高いですが、子供がはまる「〇〇マニア」ぶりは徹底したものがあります、強ければ強いほどきっと何かしらの能力として身について来ます。
「記憶力」や「識別する力」、または「物を制作する能力」や「物を大切にするこころ」、につながる可能性も充分あります、いずれにしても将来に役立つ事につながりますので子供の感性を優先しながらコミュニケーションをとっていくと伸びていきます。
ケース37
「危ない!」と言っても動かない
子供が高いところに登ったりしている時「危ないよ!」と言ってもこっちを見ているだけで動いてくれません。。
※「車が来たよ!」と言って危険を感じ取らないケースと似ていますが、やはり子供の解釈は大人と違い「危ない」だけでは瞬間的に何のことかわからないものです・・
NG言葉
「危ないって言ってるでしょ!!」
「止めなさいっ!」
※近くにいる大人に大きい声を出されれば必ずその人を見ます、子供の心境は「あの人どうしたんだろう?」または「え?なんで怒られるの?」といったところです。
大人同士のように”とっさにしゃがんだり”する事もせず
「何!?俺の事だな!後ろか下か!?ここから回避せねばっ!!」と瞬時に考える事もできません。
伸びる言葉
「〇〇してると危ないから〇〇しなさい」
※やっぱりここでも具体的な誘導が必要となります、”車が来たから端によって”と同様「落ちたら危ないから降りなさい」などと行動を教えてあげなければすぐには理解できません。
中には「危ない!」と言っただけで「サッ」と止めるこもいます、そんな子は普段から同じことを怒られ、条件反射だけで動いています、大人の指導の仕方のせいで学習がともなっていません。
「危ない!」だけなら簡潔でとっさに言葉も出やすいでしょうけど、子供に対しては危ない理由とどうするべきかは具体的に教えてあげる必要があると思います。
また、大人は「リスクを背負って学習や経験をさせた方がよい遊び」と「多大なリスクを背負った小さな学び」の分別を見極めていかなければなりません、
(すべり台の一番上からジャンプしたらどうなるか?)
(ヘビのいる藪に入って行ったらどうなるか?)
こんな事はさせられるはずありませんが、子供の成長を理解した上で観察が必要な場面もありますので出来るだけ目は離さずに見守って下さい。
ケース38
《友達の輪の中に入れない》
友だちの輪に自分からは入れません、園でもお友だちが少ないようです
※消極的な子供、気の弱い子供はやはりみんなで何かやっていたとしてもなかなか自分から入っていく事ができません、性格的なものから来ることですが損得で考えた場合確かに損があるかもしれません、ただ本人はそうでもなく、親が強くそう思っている事が多いようです。
NG言葉
「入れてね」って言って来なさい!
「みんなと仲良く遊びなさい!」
※それが出来ないでいるから行かないのです。
最初から出来たら苦労は無いと言ったところでしょうか・・ 大人でさえ自分の苦手をコントロールし、勇気を奮い立たせるのには相当エネルギーを使います、子供にとっても無理やり行かせるのは大きな負担です。
行け行け言われたら更にこわばって逆効果となります
伸ばすコツ
(自分の遊びに招き入れる事から教える)
(1人で遊んでいるお友だちから)
※たくさんの輪の中にいつも遊んでいるお友だちがいたりすれば良いきっかけなんですが、自力で行動が起こせるようになるにはやはり順を追った方が子供に負担なく教えられます。
公園の砂場等に行き、ひとりで遊んでいるような子に話しかけるとこからやってみます、
大人はそれとなくキッカケを作る事をしてあげてください。
それもままならないようでしたら面白そうな道具を使ったりして、まずは親子で遊ぶことにします、ほかに子供もいれば必ず覗き込みに来る子はいます、その時出来れば子供に「あそぼ。」だけ言わせて招き入れる事を実践させてあげます。
すると不思議と1人の子供には話しかけられるようになっていると思います、自分が招き入れる事によって(あ、受け入れるのって簡単なんだ)という事を無意識に覚えていきます
そうすれば、大勢いる輪に入っていく時のハードルもはじめよりはグンと下がっているはずです。
消極的な子や内気な子には少しづつが大切です。
(つづきます)
次回 打ち出の小づち【子供が変わる「言葉がけ」9(最終回)】