子供が変わる「言葉がけ」9

  • 2015年6月22日
  • 2025年5月31日
  • 子育て
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ケース39
《園に行くのをイヤがる》

毎朝保育園(幼稚園)に行くのをイヤがります、叱ったりなだめたり・・疲れます


 

※行きはじめこそは嫌がっていた子供も、慣れてくれば行くものだと観念したり、楽しさを見い出したりして結果的に嫌がらなくなります。また、元気に行ってくれて助かるな~と思ってたらまた急に行くのを嫌がったりするようになったりもします。理由は必ず下のどれかに含まれています。
・園でよほどイヤな事がある(お昼寝、友達関係、その他)
・団体生活するのがいや(イベント事などの練習)
・親への甘え(家にいたい、一緒にいたい、離れたくない)

NG言葉
「ダメ!行きなさい!」(全面否定)
「それならお休みしよっか」(完全降伏)

 

※子供が登園したがらない理由は「親への甘え」が一番多く、園の先生なども直接は言いませんがよく「愛情不足」を理由にする事もあります。でもそれは深刻な愛情不足などでは無く、子供が起きてから連れて行くまでの時間の中に問題があるからかも知れません。

大人もそうですが起きてしばらくは”寝ぼけ”でいます、副交感神経優位で頭は働かずボーっとし、親に甘えてきます。
その時すでに親は食事の支度やその他の準備のため動き始めていますので、甘えて来られてもなかなか相手をしてあげられません。
そのため、つい朝の教育テレビを見せてしまいます、子供もテレビをぼーっと見ているままではなかなか目が覚めず、「着替えちゃいなさい」と言ってもまず一度では動きません。
そして着替えも済まないまま食事となってしまい「先に食べちゃいなさい」という事になります。
ここでテレビを消そうとすれば子供が騒ぎます、「ちゃんと食べれば消さないであげる」を条件にしますが、実行できるはずも無く食事もダラダラと行います。
大人はさっさと食べ終え、こどもはやっと半分、いいかげんイラッとする親はいいところでテレビを消します、こどもは不機嫌ながらも残りの半分に手を付けはじめますが食べる気はおきません。そこに「早く食べちゃいなさい!」という圧力
時間に余裕が無くなってきているため食事が終るやいなや「着替えちゃいなさい!」の指示
準備したものをすんなり着れば良いのですが”お気に召さなければ”そこでひとまた悶着、
親のイライラはつのります。自分の支度をしながらなんとか子供の準備が終る頃には送迎バスが来る!もしくはまた遅刻しちゃう!って時間なのに。
ここで子供からトドメのひと言・・・「ヤダ、行かない」

やや極端な例かもしれませんが似たようなところがあるのではないでしょうか?
これでは朝起きてから登園まで全く子供の気持ちを受け入れるスキがありません、園の教室に入ってしまってからでは甘える事もできないし、言う事を聞かざるを得ない事も知っています。
なので「直前」に朝から一度も甘えさせてくれなかった”訴え”をすることになります。

 

 

伸ばす言葉
環境・状況にもよりますが
「今日お母さん早めにおむかえに来るから」
「園終わったら公園行こ」
「今日夕飯お店で食べよ、だからがんばって」
「今日もしイヤな事があったりしたらちゃんと後で教えてね」

 

※一度「行かない!」が始まってしまったらなかなか手ごわいものです。
拒否の程度にもよりますが、時間の無い中で、ベソをかきながらも親の話すことを聞ける状態であれば、園が終ってからの期待感、または子供を受け止める安心感を与えてあげるのが有効です。
もしも最終手段の強制連行する場合でも多少暴れますが、プンプン怒らずダッコで連れて行ってあげて下さい
また、園に行ってもずっと泣き止まないという場合には担任の保育士さんときちんと相談をしてみて下さい、具体的な理由があるはずです。
子供は外では家の中にいる時とは対極的な行動をしているという事を前提に、園での過ごし方、友達との関わり方を中心によく聞いておく必要があります。

 

 


ケース40
《園であったことをなかなか話さない》


 

※以前にもお話しましたが、子供の成長には個人差があります、ママ友の子が家で色々話すからと言って自分の子も話すとは限りません。
とくに女の子の成長は早く脳の発達も早生まれの男の子とくらべて姉のような感じを受けるかもしれません、実際クラスの中では手伝ってあげたり、世話を焼いたりしている事もよくあります。
なので他の子とは成長の比較対象をしない事は前提なのですが、幼い子の脳は情動をたよりに記憶しています。そしてそれは一日に10や20の事では無く、1000近くもの事柄をしている事となります。

NG言葉
「今日は何してたの」
「園であったこと何でもいいから教えて」

 

※おそらく親は、子供が保育園や幼稚園で子供がイジメられたりしてないか?
またどんな子と仲良くなっているか?他の子に追いついていってるだろうか?
などを知りたくて、子供の印象に残った事を話させようと抽象的な質問をしているのだと思います。
ところが子供の脳ではその時起きている出来事はその都度消化しています
よほどイヤな出来事が続かないかぎり、他の楽しい事をしたりしていると忘れてしまいします。
園に着いて靴を脱いで揃えた、園児バックをロッカーにちゃんとしまった、〇〇くんのおとなりに座った、トイレでおしっこした、などなど大人には無意識で出来る行動も子供には「何かした事」の”何か”がたくさんありすぎるのです。
その中で「何か話して?」と言っても思い出せないし思い出したところで「折り紙やった」「お味噌汁飲んだ」なのです。

 

 

引き出す言葉
「今日は何が楽しかった?」

 

※「何があった?」と聞くよりも、楽しいという情動に結び付けて思い出させると案外と話してくれます。
ブランコに乗った!ボール遊びをした、デザートにケーキが出た!など楽しかった事から引き出していくと記憶がどんどん繋がって、それにかかわる事がスルスルと子供の口から出てくることがあります。
そんな調子で話をしていると、〇〇ちゃんに叩かれた、だの先生に怒られた事などがヒョイと出てきます。
ポイントは子供の気が乗っかりそうな具体的な事で聞いてみると良いと思います。
あとはタイミング、オモチャに夢中になっている時や何かやりたくてしょうがなくなっている時や眠くて機嫌が悪い時は避けた方が良さそうです。

 

 

 


ケース41
《すぐに手や足が出ちゃう》

うちの子供が荒っぽくて困っています・・・


 

※やはり闘争心や攻撃性のある男の子に多く、遺伝的なものもあるかも知れませんが多くは家庭環境や育て方に影響してきます。子供のうちはまだ親に責任がかかりますが、長い人生人との関わりあいで生きていく中で実力行使は大きな過ちの元となります、ケースにもよりますが早めの対処が必要かもしれません

 

NG言葉
「男の子だから多少いいんじゃない?」
「何でそんな事すんの!?」
「何でアンタはそんなに悪いの!?」

 

※それがホントに多少の””ならスキンシップやコミュニケーションとして片づけられるかも知れません。ただ、親の都合良い解釈の違いがその子供にまで乗り移り、結局相手方に充分な迷惑となるケースは多いです
子供の事なのでやってしまう事はあります。ただ、それに対して「いつもの事だから」とか「多少仕方ないよ」とか言いつつ面倒くさがっていると子供は悪い事とは認識せず大きくなっても暴力・暴言でしか意思表示できなくなってしまいます。
また、それを咎める時の言い方も「何で?!」や「そんな事!」では意味が通じません。

 

 

通じる言葉
「叩いたらダメ!」
「押したらダメ!」
「蹴っちゃダメ!」

 

※ここでも具体的にキッチリ教える必要があります、すでにクセがついてしまっている子は家庭内ではもちろん園でも繰り返し繰り返し教えていく必要があります。
ただ厳しくするだけでは無く、大人は手足が出てしまう原因を見抜くようにしましょう。
相手の言い分はもちろん自分の言い分だってあります、
相手側による執拗な誘発行為の場合もよくあります、
その気持ちもわかってあげた上で、行動を否定する言い方をする事にします。
決して「〇〇くんはなんて悪いの!?」などの言い方はせずに、
その子のした行動を咎めるような言い方をして下さい。
人格否定につながり、行動が切り離せなくなってしまいます。

 

 

 


ケース42
《気が弱く、消極的でいつも損している気がします》


 

※わが子の情けない姿をみていると悔しくなってくるというのが親の心情です。
ただそれは、親が勝手に”情けない”と思っている事だったり”よそ様との競り合いに負けるのがイヤだという親の都合だったりする場合もあり、子供の性格を理解してあげることによって、
「優しい」性格「我慢強い」ことをちゃんと見つけてあげる事ができます。

 

NG言葉
「情けないなぁもう。。」
「やられたらやり返しなさい!」

 

※しょんぼりしているところに親の追撃・・・何の進歩も無く、これでは行き場を失ってしまいます。
「やられたらやり返せ」は父親の言うセリフに多くみられますが、それを通していたら世の中トラブルだらけになってしまいます。せいぜい「先に手を出すな」くらいにしておいていただきたいと思います。
ガッカリして帰って来たところに親のガッカリしている顏を見ると子供は更にガッカリしてしまいます。自分の”見栄”はさて置いて、子供の気持ちを察してあげるようにしましょう。

 

 

伸ばす言葉
「くやしかったな」
「我慢したんだね」
「次はこうしてみようか」

 

※そんな時、子供自身何を口にして良いかわかりません
「代弁」をして気持ちを整理させてあげて下さい。
そうすればやっぱり自分を理解してくれているという感覚のもとに親の言葉はよきアドバイスとなり、今日の事に引きずられること無く、次の機会の時、新たに取り組む事が出来るようになります。

 

 

 

 


《終わりに》


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この「言葉がけ」カテゴリーを読んで下さっ方の中には、きっと将来子供を授かる事になる方もいるかと思います。

「ちゃんと育てられるだろうか?」

「わが子を愛せるようになるだろうか?」

色々な不安を思うかも事があるかも知れません。

それら不安は今すぐ捨てて下さい。

新しく生まれて来る子供には「希望」しかありません。

子供は負債?

子供は重荷?

私は真っ向から否定します。

子供が欲しくて欲しくてたまらない人もたくさんいます。

諦めざるを得ず、苦しい思いをした方もたくさんいらっしゃいます。

世界のどこかには明日を生きられない子供もいる事でしょう・・・

私たちが先に「生」を授かったように同じく「生」を授けていかなければなりません。

人が成長し、自分より大切な存在を知り、無償の愛の意味を知るきっかけとなるのも子供です。

 

やっぱり子供は希望なんです。

 

どうか将来への不安を持つのは止め、人として生まれた歓びを子供と一緒に共有する日を楽しみにしていて下さい(^^)

 

 

 

 

保育園の子

 

 

次回 打ち出の小づち【子供もうつになるの?】