2015年12月13日のFaceBook投稿より
『少し長い投稿になります。黙読3分程度ですが、じっくり読める時間のある方はご一読下さい。』
画像を見て下さい。
一昨日私の店に来て下さったお客さんの後ろ姿ですが、
店に入ってすぐセット面に座っていただき、束ねてあった髪をほどき、放射状にキチンととかしたところです。
アップの方は、髪を濡らしたところです、ヌルヌルした感触で、美容師が見たらゾッとする画像です。
一目瞭然だと思いますが、あるはずの髪の毛が溶けて無くなっています。
もちろん点線部だけでなく全体の毛先、顔まわりの細い髪なども所々欠けています…
また、画像ではわかりにくいですが、キューティクルが溶け落ち、ゴムのように伸びてしまう状態が上の方からはじまっています、
”ビビリ毛”どころではありません。
どうして髪が溶け落ちたかといいますと、
「パーマ」です。
先月、某美容室で、上の方からウェーブヘアにする為のパーマをかけたそうです、
「その後、市販のストパーをやってしまった」…のではありません。
美容室で8000円支払ってパーマをかけた仕上がりです、ウェーブヘアの”ウ”の字も出ていない事は言うまでもないです、、
確かにあらかじめダメージはありました。
カラーを繰り返していて注意が必要な状態であったと思います、が、余力はあったハズです。
そして、この方の髪がこれからどうなるかをわかっている範囲で説明しますと…
もうパーマ類やストパー、矯正はもちろん絶対にできません。
”優しく”カラーをしたところで根元以外にはほとんど色は入りません、カラーもやはりしない方が良いです。
また、髪の乾く時間が倍になっていますので、毎日のドライヤー時の時間と労力が倍です。
さらに、普段のお手入れを丁寧にしていてもしばらくは髪が切れ続けます。
それらが約2年間です。
この長さに生え替わるまで2年かかります。
…私自身のことではありますが、ちょうど美容師としてのあり方、様々な価値観などを見つめ直していたところであり、最近とくに危惧をしていた事の一つでもありました。
ひどく残念で仕方ありません…
どういう気持ちで、どういう仕事をすればこのような結果になるのかがわかってしまうため、憤りすら感じました。
また、このようなことは絶対にあってはいけない”事態”なのですが、仮に起きてしまったとします。
少なからずお客さん商売をしている美容師なら、まず自分がおろそかにしていた事実を認め、謝り、そして、せめて自分にできるだけの「責任を取ろうとする努力」をするべきです。
それを、信じられないことに
『しらばっくれ』
をしたそうなのです。
はぐらかしてお客さんを帰したそうです。
それを聞いて、私は込み上げる憤りを抑えるのに時間がかかりました。
私からひと通りの説明とアドバイスが終えた後、お客さんは開き直った表情をとりつくろい、こう言いました。
「大丈夫です。髪の毛を元どおりにする手立てが無いのなら2年間待ちます、もう行かなければいいだけなので。すみません、これからは早めに予約を取るようにします。」
某美容室と関わり合うこと自体、イヤになってしまった気持ちを伝えてくれました。
近所付き合いなども考慮し、直接の抗議はされないという結論で処置し、投稿の許可もいただいておきました。
実はこの方、”当日予約主義”なる方でして、先月某美容室に行く前、まず私の店に電話をくれたのです。
予約に空き無く、私はその日お断りをしてしまいました…
もちろんその事が直接関係の無いことはわかっています、、ですが、後悔と共にどうしても幾ばくかの責任を感じてしまいます。
この日はリタッチカラーをし、せめてもの毛先カットは無料でさせてもらいました。
私は「髪は毎日伸び続けていること」と、「アドバイスが欲しい時はいつでも来て下さい」ということを最後に伝えました。
この投稿で私が何を伝えたいのかといいますと、
まずあらためて、髪のダメージは回復しないということ、それと、
「信頼のできる美容師を見極めて下さい」
ということです。
難しいことではありません。
普段の生活の中で、知らない人であろうと
「人と人」
であることを感じる心を持つようにして下さい。
信頼できる美容師は必ず見つかります。
私も、笑顔の消えたお客さんの顔はもう見たくありません。